Ｃ５６ １６０

Ｃ５６テンダー式蒸気機関車は、Ｃ１２タンク式蒸気機関車にテンダー（炭水車）を繋いで、長距離運転を出来るようにした形式と言っても過言ではない。

主要幹線が概ね建設され鉄道網の整備が進むと、輸送需要の少ない閑散線が建設され始めた。

これらの路線で活躍する機関車には幹線から撤退した旧型機が充てられたが、次第に幹線の機関車が大型化してゆくと支線への転用が困難となり、また老朽化した車両の部品確保などの問題も発生したため、小型の簡易線用機関車が必要となってきた。

昭和７年にはＣ１２形タンク式機関車が登場するが、運用距離が短かったためテンダー式に設計しなおして登場したのがＣ５６形である。そのため、共通部品が多い。
昭和１０年より１６０両が製造された。

Ｃ５６では支線区での運用を重視して登場したため、転車台が設置されていない路線でも容易に使用できるように、テンダーの両側面を大きく切り取って後方視界を確保し、バック運転がしやすいように設計されているのが大きな特徴。

１６０号機はラストナンバーで、昭和４７年に梅小路機関車館に動態保存機として保管された。
ボイラー状態が良いことと、小回りが利く機関車であることなどから、各地でのイベント運転に重宝されている。

写真は、国鉄最後の日に鉄道開業の場所であった旧新橋駅（汐留駅）に展示されたＣ５６１６０